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2015年1月13日 (火)

【ゲーム雑記】ハドソンはいつ死んだのか?

実は、この記事を書いたのは、2011年初め頃です。

ハドソン上場廃止のニュースが流れて、ゲーム好きな人たちが大騒ぎしていた時です。

当時、ネットに色んな記事が出ていたので、私も何か書こうと
ハドソンやコナミの、過去の決算資料等を読みあさって書いてみたものの
なんとなく、お蔵入りしていました。

もう賞味期限も過ぎたと思うので、コッソリあげてみます。

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(以下、2011年初め当時に書いたものですので、そのつもりでお読みくださいませ)

ハドソンが上場廃止になるというニュースを見ました。

古くから親しまれてきたゲーム会社ですので、
色々な方々が、万感の想いを込めた日記やブログを書かれているようです。

かくいう私も、ハドソン大好きです。

初めて買ったファミコンソフトは、ナッツ&ミルクでしたし
チャレンジャーは、1年近くにわたって何度も何度も繰り返し遊びました。

そんなわけで、私もちょっと書いてみようと思うのですが
せっかくなので、他の方とは毛色を変えて 経理屋的な視点で書いてみます。

情報ソースは、ハドソンやコナミの
沿革・ニュースリリース・各種決算発表資料等や
有報や株主総会資料(EDINETで見れます)です。

 

まず、2000年に、ハドソンはナスダックに上場しています。

Wiki等でよく、「北海道拓殖銀行の破綻により資金繰りが悪化」と言われているので
なんとか資金調達しようとしたんではなかろうかと推測します。

。。。が、上場後初めての決算の資料を見ると、既に赤字になっています。

あんまり順調な立ち上がりではなかったようです。

 

そして、2001年、コナミから第3者割当増資を受けると同時に
事業分割吸収方式(※1)での株式交換という、 ややこしいスキームで、
コナミの出資を受けたようです。

そして、ハドソンは、コナミの関連会社(※2)になりました

※1:コナミの子会社の一部を分割・吸収して
   対価としてハドソンの株式をコナミに渡すというものだったようです。
   珍しい事例だったようで、以前読んだ米国会計基準の本に掲載されてました。

※2:例えば、コナミがハドソンの株式の50%超を持っていると「子会社」に
   20%以上を持っていると「関連会社」になります。
   ニュースリリース等によると、この時のコナミの持ち分は38%だったようです。

そして、2001年10月の臨時株主総会で
コナミ出身の役員3名(取締役2名・監査役1名)が決議されてます。

まぁ、出資を受けた関連会社としては妥当なセンだと思います。

(ていうかむしろ、出資額の割には優しいほうではないかなぁと思いました)

その成果かどうかは知りませんが、
2002年3月期の決算でハドソンは黒字化し、翌年も黒字が続きます。

一方で、この頃のハドソンのバランスシートを見ると、
棚卸資産は40億円~50億円ぐらいです。

ハドソンの事業規模を考えると、ちょっと多いような気もします。

2004年3月期時点の株主総会招集通知を見ると、
コナミの持ち株比率は45%になっています。まだ子会社化していません。

役員に占める、コナミ出身者の数も特に増えておらず、
ハドソンの自主性に任せているような印象を受けます。

ここまでは平和な感じです。

 

ちょっとキナ臭くなるのが、2004年11月で
ハドソンから業績予想修正のニュースリリースが出ているのですが

なんと、80億円の下方修正(※)です。

※:要するに「今期の利益が予想よりも80億円減りそうです」ということです。

うがった見方かもしれませんが、ニュースリリースの文章を見る限りでは
いまいち原因がよく分かりません。なんか説明になってないように見えます。

同時に、ハドソンの工藤社長が退任し、 同じハドソン内から遠藤社長が就任しています。

工藤社長は、創業者の弟さんで、遠藤社長は、経歴を見る限りでは、ハドソン立上期からの人というよりは 途中から入ったエリートさんのようです。
(あんまり詳しくないので、違ってたらすみません)

そして、2005年1月の臨時株主総会でコナミ出身の役員が2名選任されています。

さらに、2005年4月、第3者割当増資が行われ、コナミの持ち分比率が50%を超えています。
これにより、ハドソンはコナミの子会社になります。

ゲーム好きな人から見たら、「ハドソンがコナミの支配下に!」としか
思えないかもしれませんが
経緯を追っていくとむしろ、コナミから資金援助したようにも見えます。

で、2005年3月期の決算発表で、80億円の下方修正の中身が明らかになります。

色々あるようですが、なんと言っても「特別損失66億円」というのが目を引きます。

ハドソンの事業規模を考えると、異様に大きいです。

決算説明の資料とかを見ると、「プロジェクト中止による償却66億円」 と書いてあるので、要するに仕掛品(※)の赤字分を落としたのだと思います。

実際、ハドソンのバランスシートを見ると、
棚卸資産が65億円から27億円に激減しています。

※:仕掛品というのは、作りかけのプロジェクトの費用とかを
  バランスシートに載せておく勘定科目なのですが
  会計基準というのは、解釈に幅があるので
  合法の範囲内でも、かなり幅広く金額がブレます。
  仕掛品も、解釈の仕方次第で、億円単位で余裕でブレます。
  (私の経理知識は古いので、最近はもっと厳しいかもしれませんが)

 

そして、2006年3月期の決算資料を見ると、
ハドソンのバランスシートの棚卸資産は、10億円という平和な金額になっています。

その代わり、役員が、ほとんどコナミ出身者になっていました。

社長他若干名が、かろうじてハドソン出身者という感じです。

「ハドソンは、いつ死んだのか?」という問いが、もしあったとしたら

一つの候補として、この時点が挙げられるんじゃないかなぁと思います。

少なくとも、私はそう思います。

 

 

以下、勝手な推測ですが。。。

ハドソンが、まだ小さかったころは、ゲーム黎明期でもあり
ただひたすら良い作品を作っているだけで、よかったと思うのですが

会社が大きくなり、ゲーム黎明期も終わり、
ゲームの制作が、個人戦から組織戦になってくると、そうもいかないのだろうと思います。

社長も、クリエイターから経営者に生まれ変わらなければいけなかったのでしょうが
ハドソンの決算内容を見る限りでは、うまくいっていたようには見えません。

   天才的な創業者が起業
  →どこかの大手が買収
  →創業者社長退任
  →バランスシートを適正にするために特別損失計上
  →財務体質健全化

 

 。。。というのは、よくあるパターンだと思います。

いやもう本当に嫌になるぐらいに、よくあるパターンです。
経理的に見れば、ただそれだけの話なのですが
ハドソンを愛する、いちゲーム好きとしては、やはり寂しいものがあります。

「個人プログラマーが良い作品を作ることだけに集中していればよかった時代」の
終焉を象徴するような出来事だったんじゃないかなぁ。。。という気がするのです。

(。。。と、この記事を書いた当時は思っていたのですが、
 最近はまた「作り手個人」が日の目を浴びつつあるような気がします)

その後、2007年5月に、ハドソンは本店を 六本木ミッドタウンに移しています。

同時期に、コナミが拠点を六本木ミッドタウンに集約しているので
ハドソンも一緒に引っ張られたのだと思います。

ただ、ハドソンは子会社とは言っても、 かつてはコナミとは別会社だったのですから
ハドソンまでもが、コナミの拠点集約の動きにあわせて引っ越すというのは、
違和感があります。

つまり、この時点でハドソンは
もはやコナミの一部門的な立場だったんだろうなぁ。。。と推測します。

そして、2008年5月に、石塚社長が就任し、遠藤社長が退任します。
石塚社長は、コナミ出身のようです。
ハドソンのHPのトップメッセージ等も刷新されたようです。

「これで、ハドソンは完全にコナミ傘下に入ったんだなぁ」。。。という雰囲気です。

「ハドソンは、いつ死んだのか?」という問いに対する回答の
第2候補として、この時点が挙げられると思います。

 

そんな動きを経て、2011年1月に、ハドソン上場廃止のリリースが出るのですが

私の私見としては、実質的に「どうでもいい」という気がします。

ハドソンがコナミ傘下に入ったと思われるタイミングは
2005年・2008年と、既に2回あります。

上場廃止などは、その後の事務手続でしかないという気がするのです。

上場し続けるための事務負担コストは、馬鹿にならないものがあります。
ハドソンが、すでに実質的にコナミの傘下にあるのであれば 子会社の上場廃止をするのは、単なる経営上のセオリーでしかないと思います。

まぁ、個人的にはコナミの傘下でも何でもいいから、
ハドソンというブランド名は、ぜひぜひ残って欲しいなぁと願いますが。。。
(と、当時書いていましたが、無くなりましたね。。。)

 

あと、諸々の記事などを見ていると、コナミとハドソンの場合
なんとなく、ハドソンが判官びいきされているような印象があります。

ネットにおける、ゲーム関係の意見って、
ほとんどがクリエイターかユーザーの目線だと思うので、
たぶんそのせいじゃないかと思うのですが

こうして経緯を追っていくと、
コナミはハドソンに対して、根気よく何度も支援していたように思えます。

少なくとも、数字で見る限りでは、
コナミは、ハドソンに対して、かなり温情的な扱いをしていたと思いました。

いや、私も昔からのゲーム好きなので、ハドソンのことは好きなんですけどね。。。

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