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2013年11月15日 (金)

【ゲーム雑記】バイナリィランドご祝儀バージョンについてのまとめ&推論

ファミコン非売品ソフトの
「バイナリィランドのご祝儀ver(ゴールドカートリッジ)」について、
最近、話題沸騰中なので、ちょっと整理してみました。

 

まず、私が把握している事実関係のみを、淡々と時系列で記載すると、
以下のような感じです。

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(1)ヤフオクに初めて「バイナリィランドご祝儀ver」が出品される
かなり昔だったと思いますが、何年頃だったか覚えている方がいたら教えて下さいませ

 出品者によると「フリマでゲットした」、「2本ある」とのこと。

 

  <当時の背景>
  
「ファミコンの非売品は、もう出尽くした」というのが、なかば定説化した頃に
  「危険物の物理と化学」がヤフオクに出品されて、コレクターの度肝を抜く
   →「ファミコンの非売品は、もう出尽くした」という常識が、少し揺ぐ
  
→それからしばらくして、この「バイナリィランドご祝儀ver」が出品された

 

 それまで、このソフトに関する情報は全く無かったので、皆、半信半疑なものの
 当時はまだ、「ゴールドカセットの贋作」というのはあまり無かったので
 (少なくとも、今ほど大量には出てなかった)
 「箱に"ご祝儀"というシールが貼ってあるし、なんか本物っぽい」程度に
 考えてしまうような平和な時代だった。

 →コレクターが殺到し、6桁の高額で落札

 →以降、非売品ソフトとして認知されるようになる

 

(確かこの時の出品物については、
 「ゲーム内容については、市販版と変わらない」という説明が
 書かれていたような記憶があるのですが
 ハッキリとは覚えていないので、証拠を残している方がいたらご連絡下さいませ。。。

 ただ、入札する側のコレクターにとって、
 「ゲーム内容に市販版と相違があるかどうか」は、すごく気になる点なので、
 誰も確認しなかったというのは、考えにくいですが。。。)

 

(2)非売品ソフトとして認知され、共通認識が広まる

 本当に、「ご祝儀ver」なるものが実在するのかどうか、裏は取れないまま
 非売品ソフトとして認知され、以下の共通認識が広まる。

  ・箱に『ご祝儀』のシールが貼ってある
  ・金メッキ
  ・ゲーム内容は、市販版と同じ

 

(3)警戒され始める

 超プレミア非売品ソフトとしての認識が広まると同時に

 「ゲーム内容が市販版と同じだったら、贋作が簡単に作れるんじゃね?」
 という疑念が出始める。

 レトロゲーム専門店も警戒し始め、徐々に「買取金額要相談」となっていく。

 本物と贋作の見分け方については、コレクターの中でも諸説が飛びかったものの
 決め手は無いままだった

 

 ・"ご祝儀ver"は裏技で"KIKUMEGU"が表示される」という説を、
  しったかぶりして言う人もいたが、
  この裏技は、市販版でも使えるので、全くのデマ

  ただ、後の「ご祝儀verの結婚式=KIKUMEGUである」という認識の
  すりこみ
に、繋がっていったと思われる。

 (実際には、「"ご祝儀verの結婚式""KIKUMEGU"である」という
  情報
には、全く裏付けが無かった

 

 ・他にも、「メッキの下地のカートリッジの色で見分ける」という説もあったが
  ピンク、黒、赤、茶色などの諸説が飛び交い、
  しかもどれが本物なのか分からないので、決め手にならず
  (逆に「全部が本物」とか「いくつかが本物」という可能性もあり)

 

 ・あと逆に、
  「"引出物(結婚式で、新郎新婦が出席者に配るもの)"だと言うのに
   "ご祝儀(出席者から、新郎新婦に贈るもの"というシールが
   貼ってあるのはおかしい。よって偽物だ。」
  と、贋作説を主張する人もいたが、

  ・そもそも"引出物だ"という説からして
   "最初のヤフオクの出品の時にそんなことを言っていたような気がする"
   という程度の曖昧なもので、後世の人たちが根拠なく勝手に言っているだけ

  ・仮に情報源となった人が「引出物」と言っていたとしても
   "引出物"と"ご祝儀"を、言い間違えずに正しく使い分けられる人ばかり
    ではないので、情報源となった人が「あ、間違えてた」と言ったらそれまで

  。。。という感じで、これも決め手にならず。

 

(4)高橋名人に聞く人が出る

 2008年9月、高橋名人の旧公式ブログで、「ご祝儀ver」について質問した人が出る。

 名人の回答は「ゴールドバージョンは、私も忘れていました」とのこと。

 このコメントを見て、「裏が取れた!」と考える人もいたようだが
 「それは早計だ」と考える人もいて(私とか)
 「ご祝儀ver」なるものが実在するのかどうかは微妙なまま

 

(5)公式見解が出る

 その後だいぶ経ってから、高橋名人の旧ブログで、改めて言及され

 「存在する」「200本ぐらい」とのこと。 

 名人が具体的な本数まで言及していたことから、確度が高い情報と思われ

 この時点でやっと、長年の謎だった
 「ご祝儀verは本当に存在するのか?」という疑問が解消される。

 

 (しかしながら、旧ブログの閉鎖直前の記事だったので、あまり認知されず。。。
  私自身もうろ覚えで、あんまり自信ないので。
  誰か魚拓取ってる人がいたらご連絡下さいませ。

 

(6)贋作が横行

 しかし、この頃には、ネットオークションを中心に、
 ファミコンの贋作カートリッジが横行していた。

 中でも「ロックマン4」「ドラゴンボールZ」「バイナリィランド」等の、
 「メッキしただけ(カセットのシールもゲーム内容も市販と同じ)」系
 作るのが容易な上に、真贋を見分けるのが困難なので、特に警戒されるようになる。

 

 そして、ご祝儀verの贋作も、大量に出回り始め

 「どうやったらバイナリィの本物を贋作を見分けることが出来るのか?」

 ということを皆が思うものの、決め手が無いまま、どんどん贋作が世に出ていく。

 

(7)桜田名人のつぶやき

 こういった中で、2013年10月頃、桜田名人がツイッターで発言。

  「KIKUMEGUさんは、結婚していない」
  「ご祝儀のシールを比較検証したところ、一貫性が無かった」 

 とのこと。

 

 これがブログ「ファミコンのネタ」さん等でも取り上げられ、一気に情報が広まる。

 そして「ご祝儀verは存在しない!」という説が、確定事実のように一気に広まる。

 

 (実際には、「ご祝儀verの結婚式=KIKUMEGUである」という
 前提条件が固まっていない状態なので、この時点で言えることは
 「やっぱり、ご祝儀verの贋作は大量にあるんだ」というだけなのだけど。。。)

 

(7)桜田名人の調査結果

 その後、桜田名人が、再度調査結果についてツイッターで発言。

 「ご祝儀verは存在する」
 「KIKUMEGUさん以外の人の結婚式で配布」 
 「ご祝儀verは、キャラが差し替えられている」

 とのこと。

 これにより「ご祝儀verは存在する」という説に戻る。(←今ここ

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以上が、私が把握している事実関係です。

 

。。。で、すごく気になっているのが 

「ご祝儀verは、キャラが差し替えられている」の部分なんです。

何故かというと、論理的に考えて、少し違和感があるのです。

 

以下、あくまで私の主観的な推測ですが。。。

 

まず第一に、少なくとも私は、過去に世に出た「ご祝儀ver」で、
キャラ差し替えがあるものは、1本も見たことがありません

 

となると、以下の3つのケースが考えられます。

 

推論①「実は過去に出た「ご祝儀ver」は、全部偽物だった。
     今レトロゲーム専門店に飾られているものも含めて、全部偽物。」

推論②「"キャラが差し替えられている"という情報が間違い

推論③「私が知らないだけで、最初に出品されたご祝儀ver等、
     キャラ差替あるものが存在する」

 

まず、推論①「全部偽物だった」の場合を、前提にして考えてみます。

 

一番最初にヤフオクに出た「ご祝儀ver」は、
確か、ゲーム内容に相違はなかったと思います。

もしこれが偽物だったとすると、

 

この出品者は、

・本物の「ご祝儀verが存在することを知っていた」

・その上で、偽物を作って出品した

ということになります。

 

つまり、この出品者は

・本物の「ご祝儀verが存在することを知っていた」(この時点でかなりレアな人)

・同じ偽物を作るのなら、もっと知名度の高い偽物を作ればいいのに(ロックマン4とか)
 
わざわざ、まだ当時誰も知らない「ご祝儀ver」の偽物を作った。

・しかも、「本物と内容が本物と相違する(キャラ差替が無い)偽物」を、わざわざ作った。

 (そんなものをわざわざ作って、落札者に騒がれるリスクを犯すぐらいなら、
  ゲーム内容に相違が無いことの確認が取れているタイトルの
  ゴールドカートリッジを、作ったほうがよいように思えるのですが。。。)

・そして、2本だけ出品して、おしまい

 (結婚式関連の贈答物だというのを知った今なら、
 2本」というのは確かに納得感があるのですが(夫婦で出席するのはよくあること)
 当時、まだ「ご祝儀ver」の存在が知られていない時代に、
 わざわざ律儀に「結婚式関連のモノですよ感」を演出したことになります)

 

。。。という条件を全て満たす人ということになります。

 

なんか、不自然な行動のように思えるのですが。。。

(もちろん、「事実は小説より奇なり」で、本当に偽物だった可能性もありますが)

 

なので、私としては、ついつい
推論②「キャラ差替という情報が間違い」というのを、考えたくなってしまうのです。

 

「だって、事実確認を取ってるじゃないか」と言われるかもしれませんが
その「事実確認」というのって、意外と難しいと思うのですよ。

 

例えば、刑事ドラマだのミステリーだのなんかで、よくありますが

「事実を話して下さい」と言われても
普通の人であれば、どうしても、正直に事実を言っているつもりでも、
無意識のうちに、推測、伝聞、思いこみ、記憶違い等が入ります

  

別に、桜田名人が、いいかげんなことを言っているとは思いません。

私が気にしているのは、
「桜田名人にその情報を伝えた人が、思い違いをしている可能性はないのだろうか?」
。。。ということです。

桜田名人が、具体的にどうやって確認したかについては
推測するしかありませんが、

おそらくは、当時の関係者に、メール、電話、口頭等で聞いたのではないかと思うのです。

でも、バイナリィランドが出たのって、20年以上も前です。

桜田名人に対して、情報を提供した人自身が、
記憶が曖昧になっているとか、思いこみをしていたとか。。。
そういう可能性が無いのかどうか
、気になるのです。

 

またそうでなくても、例えば
「キャラ差替をするつもりで依頼したけど、依頼を受けた人が忘れていた」
とか、疑い出せば、色々な可能性があると思うのです。

 

(例えば、管理人自身、某ゲーム会社で、
 非売品ゲームソフトを世に出すのに関わったことがありますが

 私としては、「こういうパッケージがいい」という希望を出したのに
 当時の上司が、私が不在の時に独断で
 「時間が無いから、これでいい」と差し替えてしまい

 実物を見て、私が「あれ?」となったことがあります。)

 

普通なら、「当時の関係者が発言した」で、おしまいで、
それ以上議論の余地はないのですが

今回の場合は、どうしても、推論①よりも、推論②のほうが、
論理的な整合性が取れているような気がするので、すごく気になっております。。。

コレクターにもレトロゲーム専門店にも、

「もしゲーム内容に相違があるのなら、こんなに苦労しなかったよ。
相違が無いから苦労してたんだよ」

という方、多いんじゃないでしょうか。。。

 

要は、私の認識としては

「バイナリィのご祝儀verは存在するが、贋作が大量に出ていて、
 なおかつゲーム内容も市販版と同じなので、真贋の見分けがつかない」

 

です。

その場合、当然、市場価値は無くなりますが、そんなことはどうでもいいんです。
とにかく、真実を知りたいのです。

というわけで、がぜん気になってきたので、つらつらと書いてみました。。。

あちこち推測を元に話を進めているので、穴だらけの推論だという自覚はあります。
情報提供して下さる方がいたら、ぜひお願いします~。

あ、あと、
推論③「私が知らないだけで、最初に出たやつは差替verだった」
という可能性も大いにある
ので、当時のページを保存している方とか、
いらっしゃいましたら、ぜひぜひ情報提供して下さいませ。。。

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【2014/11/16追記】

桜田名人より、以下の発言がありましたので、追記します。

「本物のご祝儀verは、キャラが差し替えられている」というのは、
かなり確度の高い情報のようです。

Sakurada1_4

Sakurada2_2

Sakurada3_2

Sakurada4_2

また、「コロコロコミックに載っていたことがある」という説もあり
もしかしたら、昔から、知ってる人は知ってたのかもしれません。

(当時のコロコロをお持ちの方で、情報提供して下さる方がいましたら
 ぜひお願いします。。。)

だとすると、
推論④「私が知らないだけで、差替verはあった。
     その上で、最初にヤフオクに出たやつから偽物だった」

という可能性もあるかもしれませんね。。。

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80_ゲーム雑記」カテゴリの記事

コメント

高橋名人が本数等について述べていたのは旧ブログではなくゲッチャの方です。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/1299237538←の9:20辺りで「300本か400本」と述べている部分があります。

貴重な情報、ありがとうございます!

ちゃんと動画で残っているのは助かります。

存在するのは間違いないようですね~。

おひさしぶりです。

結婚式を裏付ける物と同梱出品が今まで一度もなかったので桜田名人の情報を初め見たときは安易に「やっぱりなかったんか~」と思ってしまいました。

ただ、そこからの流れからすると存在する線が濃厚なようで正直ワクワクしてますw

他の方の結婚式なんで裏技の文字も変わるんかなと思ったんですが、まさかそこがそのままでキャラクターのみ変わるとはw

86年中期(発売から半年)以降の制作だとすると、もしかしたらメッキ以外でも外観の違いがあるかもしれませんね

>てつじょ様

おひさしぶりです。
コメントありがとうございます!

今回は、情報が二転三転して面白かったですし
最終的に、良い意味で予想が裏切られた結果になったかな~と思います。

まさか、キャラ差替があるとは思っていませんでしたので。。。

でも、コレクターとしてはワクワクする話で、
夢が広がりますね!

個人的にはですが、キャラクター差し替えプログラムを作成したものの、誤って製品版を焼いてしまった可能性があると睨んでいます。

メーカーが違いますが、セガのアーケードゲーム『ゲイングランド』は、伝説のバグ技をマスターアップ前に発見し修正したものの、マスターを焼く前に誤ってバグ版の方を焼いてしまったと、セガの公式ページで明らかにされました。
このバイナリィも、ゲイングランドのような理由で商品版と同内容になってしまったと思います

>みやた様

確かに、その可能性も否定しきれませんね~。

う~ん、気になります。

ゲイングランド、そんなエピソードがあったんですね!
ある意味セガらしいですね。。。(笑)

まぁ、私が前いたゲーム会社も
管理が全般的にアバウトだったので、
どこもそんなものなのかもしれませんが。。。

こういう状況って、ご当人さん2人からすれば、どう思うんだろうか?

本物が高額で出回る、贋作が出回る、どちらにせよあんまりご当人さんからすれば好ましくない状況なんじゃないだろうか?例え本物とはいえ高額で出回らさせない、ましてや高額を狙った贋作を出回らせない状況を作る方が当人のためになるように思える。

両方の市場価値をなくすことが、最善の手なんじゃないかな。そのためにはどうするのかを考えてしまうなあ。

個人的には見分けはつかないと思います。両方はほぼ一緒でしょう。バイナリィランドの他の中古カセット同様の金額ぐらいで扱われるのが適切だと思います。思い出はプライスレス。

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